、さあ一杯(と自らビールを注いでやりながら)あんまり、もったいをつけるな、つけるな!
大野 ワッハッハッハハ!(今までの少し過度なぶっちょうヅラを、まるで幕を切って落したように、ガラリと引っこめて豪傑笑い)ハッハハ、どうも、はや! ハッハハ、こういう憲兵もいるからなあ!
薄田 ハッハハ、皇国の前途、多望と言うべし! いや、冗談じゃないんだぞ、これから、われわれは、こうでなくちゃ、いかんのだ。まじめな話だよ。いいかね、今こうして乗るかそるかの戦争をしておる。戦争というものは、なんでもよいから、勝たなきゃ話にならん。いくら道義の聖戦のと言ったって、負けてしまっちゃサランパンだ。しこうして近代戦というものは金と物量がするんだ。金と物量は、あくまで金と物量であって、つまり物じゃろう? 物質だ。物質はテットウテツビ合理的に動くものである。それを忘れて、道義々々と言いふらしてだな、不合理な事ばかりしている精神家どもが国家をあやうくしよったんだ。いいかね? わしはこれから、そういう意味で、中央に坐りこんでいる石頭どもをすこし教育しようと思っている。
大野 賛成! 大賛成だ! けっこうですそいつは。人
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