―四五日前など、なんとかって映画会社の人と芝居の興業の人まで来るのよ。……君んとこの芝居はすこし、この、近頃、厭戦思想の傾向があるんじゃないかねえ、軍でも注目しとるようだから、すこし気を附けるようにしたらどうかねえ。……そしたら、その人が、そこに、今、先生が掛けてるその椅子だったわ、そこに坐っていたのが、ブルブルふるえ出して、まっさおになって、(しかた話)バッタのようにおじぎをしたわ。
三芳 ……あ、スッカリ忘れていた。(ポケットから一ポンドばかりの包みを出して卓に置く)……これ、君の家から送って来たんで、持って来たが――チーズさ――(ツヤ子が不意にだまりこむ)――いや、なんだよ、君もこうして大野さんにはやっかいになっているんだし――
ツヤ ……(チーズをにらんでいる)
三芳 (間が持てないで)君の家でも皆さん元気だそうだ。すぐになんだ、礼状は出しといたが、しかし叔母さんももう五十七だったかな、八だったかな、手紙から察するとだいぶ弱られたようだなあ。……せんのようにガンコなことも言っていない。ツヤのことはどうぞよろしくおたのみする――くどい位書いてあった。ここに来ている事は知らせてやっ
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