Jミソリを見て、左手で左の耳を掴み、引っぱって、ゆっくりと右手のカミソリを、その方へ持って行く。眼は正面をカッと見ている。……)

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不意に暗くなって、何も見えなくなる。
潮が寄せるように、深いハミングが起る。
ハミングは嘆き唸るように次第に強くなる。
その中に――
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     エピローグ

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スポットの中に白い小さい室が、夢のように浮びあがり、そこに四人の人間がいる。
室は病院の一室だということがわかる。
四人の人は、ヴィンセントとテオとルーランと若い看護婦。ヴィンセントは、一八八九年冬作の、毛帽をかぶり耳にホウタイをしてパイプをくわえた「自画像」の身なりをして、鉄のベッドに腰かけ、前にすえられたイーゼルのカンバスと、並べてすえられた大鏡とを等分に見くらべながら、パレットにチューブから絵具を並べている。痩せて鋭くなった顔だが、機嫌が良い。テオはホッと安心して疲れが一度に出て来た様子でグッタリと、しかしまだ心配そうな顔つきで兄を見守りながら、片隅の椅子にかけている。ルーランはカバンこそさげていないが、
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