B
ヴィン え、ラシェル? すると、すると今夜すぐ君は行ってしまう?
ゴー どうせ間もなく俺はタヒチへ渡るつもりで居たんだ。
ヴィン (事態を急に理解して、ギクンとして)え! 行くんだって? ゴーガン、ホントに行くんだって? そんな、そんな君、どうしてそんな――行かないでくれ! 頼むから行かないで、ポール! 君が行ってしまったら、俺はどうなるんだ? どうすればいいんだ? 頼む! お願いだから! 何か俺が悪いことをしたんだったら、あやまるから! 俺には君だけしか居ないんだ! ね! 君だけしかない。テオは間もなく結婚する。俺は一人ぼっちになる。居てくれよ、ポール! 俺は寂しいんだ! 君に行ってしまわれたら、どうなるんだ俺は? ゴーガン、どうか、どうか、俺を助けてくれ!
ゴー ……(相手の必死の姿も既に彼を動かさない。ヴィンセントの言葉のうちに、ドアの方へ歩き出しながら、フト壁の上の「おれは聖なる――」の文句を目にしてチョッと足を止めるが、表情を変えず)……さようならヴィンセント。(ドアを開けて大股に出て行く)
ヴィン 待ってくれ! 待ってくれ! 待って!(追いすがって、ドアを再び開くが、既
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