Bヴィンセントの右手のカミソリを見る。しばらくそうして、息づまる睨み合いが続く。……)
ゴー ……(押し殺した、シッカリした声で)ヴィンセント、どうしたんだ今じぶん?
ヴィン ……(ボンヤリ立って返事をしない)
ゴー どうしたんだよ?
ヴィン ……
ゴー ……(ヴィンセントの顔から視線を離さないままで、ベッドの上の上着に手を通し靴を突っかけて床に立ち、ヴィンセントのわきをすり抜けてアトリエの方へ出て行く。ヴィンセントは無感覚になったように、その後からノロノロとついて出る。彼の手にあるランプの光が、二人の影を大きくいろいろに壁に動かす。そのランプをテーブルの上に置く)
ゴー ……(しばらく、ヴィンセントを睨んで立っていてから)やっぱり、僕は出て行く。ここに居ると君のためにも、僕のためにも良くない。
ヴィン え? 出て行く? どうして? どうしたんだ急に?
ゴー そのカミソリはどうしたんだ?
ヴィン え? こ、これは、これは――(カミソリを見て非常にびっくりして)どう、どうしたんだろう?
ゴー 君も、もう少し気を静めるんだな。僕あ今夜は、どっかその辺の宿屋か、ラシェルの所にでも泊めてもらう
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