驕B……間。どこかで何の音かわからない、非常に低い、ほとんど聞えるか聞えないほどに微かな唸り声のようなものが流れて来る――(三十人くらいの低いハミング)……。やがて身を起したゴーガン、ゆっくり立って階上を見あげた顔が涙に光っている。……気を変えて、ゆっくりした動作で、ガス燈の紐を引いて消す。そして、片隅の小テーブルの上のランプを取り、下手の自分の寝室に入り、ランプを枕元の台の上に置き、上着だけを脱いで、ベッドに横たわる。……しばらくして、首だけあげて階上の寝室の方の気配をうかがうが、なんの物音もしないので、枕元のランプを吹き消して横になる。……室内も二つの寝室も真暗になり、窓をすけて見える公園のガス燈だけが、ボンヤリと頼りなげにともっているだけ)……。

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闇の中にハミングだけが、低く、底深く流れる。間。ハミングの波の上に、チラホラと極く低く、少し調子の歪んだ、そして時々とぎれながら「ファランドール舞曲」が浮びあがって来る。
その最後の音とともに、人がうなされているような「ヒイイ」と言う声がして、階上の暗い寝室のベッドの上にヴィンセントが起きあがった姿が、戸外から
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