フ微かなガス燈の光で見られる。それがしばらく、ジッとして動かない。……ハミングは既にやんでおり、ファランドールもやむ。……間……そのうちに、遠い所でミサでもあるか、キリンカン、キリンカン、キリンカン、キリンカンと微かな鐘の音。それが次第に急調になって来る。ムックリ起き出したヴィンセントの姿が、しばらく突っ立ったままでいる。その黒いシルエット。シルエットが不意に動き出し、スッスッスッと寝室を出て階段を下りアトリエの中央に立つ。ベッドに寝かされる時に靴はぬがされているので、ほとんど足音はしない。……遠い鐘の音がますます急調に同時に、乱調になる。
ヴィンセント、自分の寝室に引き返すように、階段の方へ戻りかけ、再び立ち停り、無意識にポケットに入れた手が掴んだものを鼻の先へ持って来て見ている。(マッチとクレヨン)……マッチをする。その光で真青な彼の顔と、身のまわりだけが照らされる。その光の中の壁ぎわの低い台の上に、ランプが一つのっている。ヴィンセントはそれに目をつけ、かがみこんで火をつける。その明りに下から照らされたヴィンセントの顔の錯乱……ランプを持って身を起こそうとした彼の眼に、そのランプの
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