トあげなさいよ。寂しい人だわよ、フウ・ルウ! ね、そしたら、私、あんたにキッスしたげる! だから、そうしてあげて! ほら!(サッとゴーガンの膝に乗り、ゴーガンの頭を手にはさんで、口のわきにキッス)
ゴー ラシェル、お前は良い子だな。
ラシ だからね、そうしてよ!(もう一つ、別のがわにキッス)
ゴー フフ!

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そこへ音もなくドアが開いて、ヴィンセント。絵の道具をさげ、ルーランと一緒に一杯ひっかけて来たと見え、すこし元気に、何の気もなく入って来たのが、ゴーガンがラシェルを膝の上に抱いているのを見て、サッと顔の色が変り、棒立ちになる。
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ヴィン ……
ラシ あら、フウ・ルウ!
ヴィンセントの声 (観客の背後から、低い早口で)畜生! マルチニックの種牛め! この女まで俺から取り上げるのか? この女は俺の女だったんだ。アルルへ来て、絵を描きすぎて疲れてイライラしている俺を最初に慰め落ちつかしてくれたのはこの女だったんだ。この女は俺にとっては、自分の欲情の相手以上の存在だったんだ。俺の焼けてくるめく頭を
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