フ窓から日暮れ前の広場の冬ざれた樹立が見える。――ゴーガンが、テーブルの下手の椅子にダラリとかけて、三角パンをムシャムシャやりながら、気のない風に膝の上のスケッチ・ブロックにクレヨンを走らせている。中央の床の上で、十七、八の女ラシェルが、すぐ裏にあるレストランから聞えて来る「ファランドール舞曲」の笛の音に合せて、手振り足振りスカートをなびかせて、自己流に踊っている。乳房のへんまで切りさげた派手なブラウスに黒いスカートの、言うこともすることもひどく軽くて、五フラン屋の商売女じみた所はなく、すこし馬鹿な小妖精じみた感じの女。……曲が終る。
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ラシ フウ、くたびれた!
ゴー うまいじゃないか。
ラシ だって、あたしの村では、春の祭りには毎年これを踊るんだもの。アルルの、このへんでも踊るわ。みんなで広場に集ってね。(ドサンと椅子の一つに掛けて)そんでも、こっちい来て、お店に出るようになったら、もう駄目だな。足のさばきが以前のように早く出来ない。
ゴー 毎晩毎晩、あんまり足をさばくからな。
ラシ いやあだ!
ゴー あの店に来
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