熬mれないと思うことがある。……それに較べるとゴーガンは偉大な芸術家だ。彼は「葡萄をもぐ女たち」を完成した。これは「黒人の女」にも劣らぬ見事なものだ。彼は「夜のカッフェ」もほとんど完成し、今は非常に独創的な裸婦を乾草の中に、豚といっしょに描いている。これは非常に立派な実に特異なものになりそうだ。ゴーガンは、いつでも堂々と自信を持ち、牛のような力で描いて行く。実にうらやましい、見事な態度だ。俺は彼から学ばなければならぬ。しかし、俺はゴーガンのようにユックリ絵具を塗ってはいられない。仕事が間に合わないほどたくさんあるからだ。俺には俺の行き方がある。俺はゴーガンと競争しようとは思わない。しかしゴーガンを見ていると、俺はイライラして、手がふるえ出し、頭がキーンと鳴り出すのだ。俺はまた、病気の発作に襲われるのではないかと言う気がする。しかしテオよ、あまり心配しないでくれ、俺は充分気をつけている。ミストラルが吹く時には、屋外の写生には出ないようにして、アトリエで描く。心配しないでくれ。……ゴーガンが昨日、クロード・モネエの「向日葵」の絵を見た話をした。その向日葵は日本製の大きな花瓶にさしてあるそう
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