ヘ、それぞれ自分の寝室を持っている。……テオよ、白状すると、しばらく前から俺は身体の調子が悪かった。食事が不規則なために胃が悪いのと時々頭がボンヤリして意識が薄れるような気がすることがある。外で絵を描いていて、倒れたこともある。俺は何か、ひどく身体が悪くなりそうな気がして、不安で不安でたまらなかった。そこへゴーガンが来てくれた。不安は消えた。いまでは無事に切抜けられる自信を持っている。俺たち二人は一カ月二百五十フラン以上は使わない。ゴーガンは料理がうまい。俺も彼から習おうと思っている。こうして安上りに共同生活しながら、二人でグングンと立派な製作をする! そのうちに、印象派の画家たちや若い画家たちがここにやって来ていっしょに暮し、いっしょに絵を描いてその指導者にゴーガンがなる! 愉快ではないか。ハハ!(神経的に、しかし愉快そうに笑って)ゴーガンは早くも、自分のアルルの女を見つけたらしいよ! 俺も、あれくらいに恋愛の腕があると良いと思うが、しかし俺の手の届くのは風景だけだ。フフ! 俺たちは大いに女郎屋を研究しに行くつもりでいる。毎日、朝から晩まで二人とも仕事仕事で過ぎて行く。夕方になると俺
前へ 次へ
全190ページ中134ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング