カゃないですかねえ。よしんば、家からよこすと言っても、あの気性じゃ受け取りはしないでしょう。
ヴィン あれだけの偉大な絵かきが、食う物がない。……畜生! 世の中の人間はみんな阿呆だ! と言っても世の中の人間が急に変ったりはしない。とすると、やっぱり僕が始終言っている貧乏な画家が集まって共同生活をする計画を一日も早く実行する必要がある。
タン 共産コロニイですか? そりゃ出来ればよござんすけどねえ。
ヴィン 出来るとも、皆がその気になれば。そりゃ初めは理想的に行くまい。だから初めは気の合った者が二人でも三人でも集まって――そう、パリじゃまずい、田舎へ行く。そこで、みんなセッセと絵を描いて、それをパリへ送ってテオの手で売って貰う。誰の絵が売れてもその金はコロニイ全体の収入として、それで食料や絵の道具を買って、それを皆が入用なだけ使ってやって行く。どうだね? ゴーガンやベルナールにも話したら、不賛成ではないようだった。
タン 場所は南の明るい所が良いですね。いっそアルルはどうです?
ヴィン そうなったら、小父さんも一緒に来ないか?
タン 行きたいですね。しかし、こう老いぼれては、駄目でさあ。
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