ヌい絵であることは間違いない。敬礼しろとか何とかってね。ホントです。
ヴィン ふうん。……だのに、僕の前で、どうしてあんなにくさすんだろう?
タン そこんところは、わかりませんねえ。変りもんですからねえ、なにしろ。
ヴィン ……ゴーガンは天才だ。しかし、意地が悪い。あの男の気持は僕にはわからない。しかし見ていると、あの力強い無愛想さに僕は引きつけられる。それでいて時々腹の底から憎くなる。……尊敬している。しかし先刻みたいなことをされると、畜生! と思う。……あれは小父さん、気ちがいだ。
タン (笑う。そして笑えるような空気になったことを喜んで)ハハ、向うでは、あなたのことを気ちがいだと思っているかも知れませんな。
ヴィン (これもチョット笑って)……だけど、ゴーガンは小父さんに金を借りて行ったが、昨日から何も食っていないんだって? ホントにそんなに貧乏なのかな?
タン そうらしいですね。食い物がないのはチョイチョイらしいですよ。
ヴィン 家の奥さんの方からは、金はよこさないんだろうか? だって、家は金持なんだろう?
タン さあ、金が有ると言っても、奥さんと子供さんたちがやって行ける程度
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