[ガンを迎えた四人は、こちらを振返って見ながら、向うへ立ち去って行く……)

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不意に店にはヴィンセントとタンギイの二人だけが残されてしまう。……売台の上に滑稽な下着だけで、両足をブラリとさせて、黙りこんでしまってキョロンと坐ったヴィンセントの寂しい姿。それをタンギイが気の毒そうに眺めている。
間……どこかで、微かな鐘が鳴る。
[#ここで字下げ終わり]

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タン ゴッホさん。
ヴィン ……。
タン 風を、ひきますよ。……そんな恰好で、いつまでもいると。
ヴィン ……。
タン ……(奥へ)おい、お前――(おかみは奥で居眠りでもしているか、返事なし。タンギイ、売台の方へ寄って行き、落ちているズボンと上着を拾って、台の上に置く)さあさ、着なすったら……
ヴィン ……(唖になったよう。顔も急に陰鬱になり、眼の色も暗く鈍くなっている)
タン (しかたなく、垂れた足にズボンをはかせる)どうしました? ……なに、ゴーガンさんは善い人でさ。……あんまり、あなたが、昂奮して言いなさるもんだから。フフ、そんな、あなた、先は永いんだから……

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