ゥね? どれ、(とシニャックの手からカンバスを取り、ゴッホの絵と並べて置く。似た構図の絵)ね、どうだい?
シニ そんなことはない。僕のは僕ので、ヴィンセントのは、あくまでヴィンセントの絵だ。
ゴー とにかく、ほかからの影響を受け過ぎるんじゃないかなあ。
ヴィン そんなことはない。僕はただ君たちの色を取り入れ、学んでいるだけだ。僕にはそれが必要なんだ。必要だったんだ。
ゴー それはいささか。しかし、もう少し落ちつくことだな。そんなにあわてていると、ロクなことはないよ。第一、君は色を学んでいると言っていながら、先刻は色よりもデッサンの方が大事だと言っている。その時々でああ言ったりこう言ったり、メチャメチャじゃないか。
ヴィン メチャメチャじゃないよ。だから、必要だった、だったと言っているじゃないか。それを僕はパリへ来て、ピッサロやセザンヌや君や――君たちから学んだ。来て見て、ホントにびっくりしたんだ僕は。一度にグラッグラッとして、まるで立っていられないくらいに革命が起きちゃった。
ゴー また、大げさなことを言う。そういうのは僕は嫌いだ。
ヴィン でも事実そうだったんだもの。そいで、学んだ。
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