…僕みたいな、なんにも知らない、こんなバカにだって出来るんですから、ほかの人に、やれないワケは――
人見 君が実行したために、君のお父さんは死んだ。明君は苦しんで、ヤケになって、戦死した。そいから私なども、ずいぶん――いや、私の事など、なんでもないが――それから、ヤミや不正は絶対にしないという君の行き方のために、君のお母さんも――肺炎だというけど、ホントは栄養不良が原因しているんじゃないかね? ――そんなふうな、それは或る意味で――自分の信念を生かすという事はけっこうだけど、その事だけのために、他の人をみんなギセイにするという意味で、それにエゴイズムともいえない事はないんだから――
友吉 ええ、それは、あの――(人見の言葉で打ちくだかれ、にぎりしめた両手をブルブルとふるわせ、やがて、イスからすべり落ちて、ユカに膝を突く)
木山 ……(しんけんに)片倉さん! しかしですねえ、自分がですねえ――つまり、自分の国が、いくらそんな気もちになってもですねえ、向うの相手が、相手の国が、あくまでガンコに自分だけの意見を押し通そうとする場合は、それでは、どうしたらよいのですか?
友吉 え? ……(膝を
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