? あたりめえだあ。だもの、そこい、断食するんだって? ヘッ、そいつは、願ったりかなったりだろう、笑わしちゃいけねえや、そうじゃないですかね。ホッ、プップッ、おおけむいや! フウ!(といったのは、俊子が貴島や治子にお茶を入れようとして、よく見えない目で室の隅のシチリンに、紙くずや木の枝などを入れて、火をつけたのが、ひどくいぶって来る、その煙にむせたのである)どうも、まるで、こいつはタヌキかムジナの穴だあ! ヘッヘヘ、ホウ! ね、そうだろう、エスさま? あんだけの兵隊が、おれたちのために死んだんだぜ? え? そいで、残ったおれたちが、おれたちだけが、無事ソクサイで過ぎて行くとあっちゃ、あんまり片手落ちじゃありませんかい? 虫がよすぎるよ、ねえ! フウ! だからさ、だから、ここんとこ、五年十年、日本人は、鬼になってもジャに[#「ジャに」は底本では「ジヤに」]なっても、とにもかくにも、生き抜いて行けるかどうか、善いも悪いもヘッタクレもねえや、やってみなきゃならねえんだ! ほかの事あ、その後で聞こうじゃねえか! ねえ、エスさん!(もうもうとした煙にむせながら、貴島のおしゃべりは、まだやみそうで
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