皆圭さんを見習うがよろしい。然らずんば碌さんほど悟るがよろしい。今の青年はドッチでもない。カラ駄目だ。生意気なばかりだ。以上。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から3字上げ]金
虚子先生
[#ここから1字下げ]
能の事難有存じます。やはり九段であるのですか。いつあるのですか。ちょっと教えて下さい。正月は何かかいて上げたいと思います。然し確然と約束も出来かねます。まあ精々かく方にして置きましょう。
[#ここで字下げ終わり]
○
明治三十九年十月十三日(封書)
[#ここから1字下げ]
拝啓 昨日は失敬本日学校でモリスに聞いて見た所二十八日の喜多《きた》の能を見に行くから枡《ます》を一つ(上等な所。あまり舞台が鼻の先にない所を)とってもらいたいという事であります。どうか願います。それから時間は午前八時頃から五時位までですか、喜多の番地はどこでしたか、ちょっと教えて下さい。今度の木曜にも入らっしゃいな。四方太も来るかも知れない。小生元来呑気屋にて大勢寄って勝手な熱を吹いてるのを聞くのが大好物です。
森田が「千鳥」をよんで感心して来ました。森田は一頁五十銭で飜訳をして
前へ
次へ
全151ページ中94ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
高浜 虚子 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング