下げ終わり]
七月十二日[#地から3字上げ]金之助
虚子先生
○
明治四十一年七月十四日(封書)
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謹白。
「私は無教育でありまして到底高等の教育を受けた人の奥様になる資格はありませんが――もう一年も仕事でも勉強して――」
御房さんがこんな事をもしくは之に類似した事を愚妻まで申し出たそうです。これに由ってこれを観ると謙遜のようにもあり、いきたいようにもあり、ちょっと分りませんな。然し否ではないんでしょう。そう手詰に決答を逼る必要もないから愚妻はよく考えなさいと申したら、御房さんはよく考えて見ますと申したそうであります。
右は小生の直接研究に無之候えども大体の見当は間違った愚妻の報知とも思われません。
右迄草々。
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七月十三日[#地から3字上げ]金
虚子先生
○
明治四十一年七月二十三日(封書)
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拝啓 別封「花物語」は寅彦より送り越し候もの。中には中々面白きもの有之出来得るならば八月の『ホトトギス』へ御出し被下度候。
新、旅行。小石川同心町の住人代稽古
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