出ると少々答える故、ちょっと様子を伺った上に致そうかと逡巡仕る也。魯庵氏への紹介状別封差上候間御使可被下候。まずは用事まで。匆々。頓首。
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十月十八日[#地から3字上げ]金
虚子先生
○
明治四十年十月九日(葉書)
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御小児《おんこども》御病気如何。もし御様子よくば木曜の夕茸飯を食いに御出掛下さい。もっとも飯の外には何もなき由。人間は連中どやどや参ると存候。紹介状サッキ郵便で出しました。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
高浜清様
○
明治四十年十月二十九日(封書)
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啓 先日霽月に面会致候処御幼児又々御病気の由にて御看護の由さぞかし御心配の事と存候。さて別封(小説「葦切《よしきり》」)は佐瀬と申す男の書いたもので、当人はこれをどこかへ載せたいと申しますから『ホトトギス』はどうだろうと思い御紹介致します。もっとも当人貧乏にて多少原稿料がほしい由に候。御一覧の上もし御気に入らずば無御遠慮御返却相成度ほかを聞いて見る事に致します。まずは用事まで。
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