覧なさらないか。そうして『朝日新聞』へ出しませんか。
今度の「同窓会」は駄目ですね、あれは駄目ですよ。あなたを目するに作家を以てするから無暗にほめません。ほめないのはあなたを尊敬する所以であります。頓首。
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八月五日[#地から3字上げ]金
虚子先生
○
明治四十年八月十九日(同上)(封書)
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浜で御遊びの由大慶に存じます。大きな皷を御うちの由これも大慶に存じます。松本金太郎君はどこにいますか。私のいる所からあまり遠方では少々恐入ります。謡の道にかけては千里を遠しとするほどの不熱心ものであります。専門の学問をしに倫敦へ参った時ですら遠くって遠くって弱り切りました。金太郎君へ入門の手続はどうしますか、月謝はいくらですか、相成るべくは相互の便宜上師弟差向いで御稽古を願いたい。敢て同門の諸君子を恐るるにあらず、度胸が据《すわ》らざるが為めなり。あなたは二十日頃御出京と承わりました。然し御令兄の御病気ではいけますまい。どうか御大事になさい。人の悪口を散々ついてあとからあれは奨励のためだというのは面白いですね。六号活字の
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