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   二月七日[#地から3字上げ]金
     高浜様
      ○
明治四十一年二月十六日(封書)
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 拝啓 青木健作氏論文拝見致候。『ホトトギス』へ掲載の儀は如何様にてもよろしかるべきか。是非共のせるべきほどの名論文とも存じ不申。然し載せては『ホトトギス』の資格に害を与うるとは無論思い不申候。昨日青年会館にて演舌、今日これを通読。問題が大に似たる処有之興味を感じ申候。以上。
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   二月十五日[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜老兄
      ○
明治四十一年二月二十四日(葉書)
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『朝日』の講演速記は未だ参らず。如何なり候にや。かかりは中村翁に候。金曜に皷を以て御出結構に存候。渇望致候。『ホトトギス』へ出す時には訂正致し度と存候。時間がアレバアアイウ者デマトマッタモノヲ書キ度候。
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皷打ちに参る早稲田や梅の宵
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十一年三月十四日(葉書)
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 今日の「俳諧師」は頗る上出来に候。敢て一葉を呈して敬意を表す。頓首。
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   三月十四日[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十一年三月十六日(葉書)
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 藪柑子《やぶこうじ》先生「伊太利人」と申す名作を送り候。木曜に御出なければ締切に間に合うよう取りに御寄こしか、此方より御送致す事に致候。小生演説は明日位から取りかかる考に候。今夜御都合にて□衣御懐中可然候。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十一年三月十七日(葉書)
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 拝啓 講演をかきかけて見ましたら中々長くなりそうですがよろしゅう御座いましょうか。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十一年三月十九日(封書)
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 拝復 ページ数相分り候とよろしく候えどもまだ判然不仕。定めて御迷惑と存候がいくら長くてもよしとの御許故安心致、可相成全速力にて取片附一日も早く御手元へ差出し
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