三行批評家や中学生徒に奨励されちゃたまらない。以上。
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   八月十九日[#地から3字上げ]金
     虚子先生
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 謡の件は近々御帰りまで待ちましてもよろしゅう御座います。いそぐ事ではありません。
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      ○
明治四十年九月十四日(葉書)
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 宝生新君件委細難有候。早速始めたいが転宅前はちと困ります。転宅後も遠方になると五円では気の毒に思います。いずれ落付次第又御厄介を願いましょう。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十年九月二十八日(葉書)
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 私の新宅は
  牛込早稲田南町九[#「九」に「(ママ)」の注記]番地
デアリマス。アシタ越シマス。
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      ○
明治四十年十月八日(牛込早稲田南町七番地より)(封書)
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 拝啓 宝生の件は御急ぎに及ばず。いずれ落付次第此方へ招待仕る方双方の便宜かと存候。実はケチな事ながら家賃が五円増した上に月謝が五、六円出ると少々答える故、ちょっと様子を伺った上に致そうかと逡巡仕る也。魯庵氏への紹介状別封差上候間御使可被下候。まずは用事まで。匆々。頓首。
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   十月十八日[#地から3字上げ]金
     虚子先生
      ○
明治四十年十月九日(葉書)
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 御小児《おんこども》御病気如何。もし御様子よくば木曜の夕茸飯を食いに御出掛下さい。もっとも飯の外には何もなき由。人間は連中どやどや参ると存候。紹介状サッキ郵便で出しました。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治四十年十月二十九日(封書)
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 啓 先日霽月に面会致候処御幼児又々御病気の由にて御看護の由さぞかし御心配の事と存候。さて別封(小説「葦切《よしきり》」)は佐瀬と申す男の書いたもので、当人はこれをどこかへ載せたいと申しますから『ホトトギス』はどうだろうと思い御紹介致します。もっとも当人貧乏にて多少原稿料がほしい由に候。御一覧の上もし御気に入らずば無御遠慮御返却相成度ほかを聞いて見る事に致します。まずは用事まで。
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