ぜずにいられなかった。
「おい、支度《したく》をしろ、今日のうちに、引越してしまおう」
 おど、おどしている女房に、こう云った利平は、先刻までの、自信がすっかりなくなってキョロキョロしていた。



底本:「徳永直文学選集」熊本出版文化会館
   2008(平成20)年5月15日初版
底本の親本:「能率委員会」日本評論社
   1930(昭和5)年1月20日
※初出では伏せ字であったことを示す「×」は省きました。
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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