メの線真似る、蜻蛉《とんぼ》の飛行の如くにも
彼等のお臍のまはりにて、彼等をあやし眠らする。
――さて彼等、腕をもじ/\させまする。髭がチクチクするのです。
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夕べの辞
私は坐りつきりだつた、理髪師の手をせる天使そのままに、
丸溝のくつきり付いたビールのコップを手に持ちて、
下腹突き出し頸反らし陶土のパイプを口にして、
まるで平《たひら》とさへみえる、荒模様なる空の下。
古き鳩舎に煮えかへる鳥糞《うんこ》の如く、
数々の夢は私の胸に燃え、徐かに焦げて。
やがて私のやさしい心は、沈欝にして生々《なま/\》し
溶《とろ》けた金のまみれつく液汁木質さながらだつた。
さて、夢を、細心もつて嚥《(の)》み下し、
身を転じ、――ビール三四十杯を飲んだので
尿意遂げんとこゝろをあつめる。
しとやかに、排香草《ヒソフ》や杉にかこまれし天主の如く、
いよ高くいよ遐《(とほ)》く、褐色の空には向けて放尿す、
――大いなる、ヘリオトロープにうべなはれ。
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教会に来る貧乏人
臭い息《いき》にてむツとする教会の隅ツこの、
樫材《かし》の床几《(しやうぎ)》にちよ
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