芫ヨ戒にも拘らず
足の指がはしやぎだすのやふくらはぎがふくらむのをお感じになる……
――夜が来ると、黒い海賊船が金の御空に現れ出ます。
※[#ローマ数字2、1−13−22]
司祭様は郊外や豊かな町々の信者達の間から
名も知れぬ一人の少女を撰り出しなされた
その少女の眼は悲しげで、額は黄色い色をしてゐた。
その両親は親切な門番か何かのやうです。
※[#始め二重括弧、1−2−54]聖体拝受のその日に、伝導[#「導」に「(ママ)」の注記]師の中でもお偉い神様は
この少女の額に聖水を、雪と降らしめ給ふであらう。※[#終わり二重括弧、1−2−55]
※[#ローマ数字3、1−13−23]
最初の聖体拝受の前日に、少女は病気になりました。
上等の教会の葬式の日の喧噪《(けんさう)》よりも甚だしく
はじめまづ悪寒が来ました、――寝床は味気なくもなかつた、
並《なみ》ならぬ悪寒は繰返し襲つて来ました、※[#始め二重括弧、1−2−54]私は死にます……※[#終わり二重括弧、1−2−55]
恋の有頂天が少女の愚かな姉妹達を襲つた時のやうに、
少女は打萎れ両手を胸に置いたまゝ、熱
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