に、二人であの世へお送り申したこともある仲じゃねえか。」
カテリーナ・リヴォーヴナは、寒くって全身がくがく震えていた。いや、びしょ濡れの着物をとおして骨までも沁みこむ寒さばかりでなくて、カテリーナ・リヴォーヴナの体内には、何かもっと別の現象までが起っていた。頭が燃えるようにかっかとしていた。瞳孔はひろがって、ぎらぎらする光をちらつかせながら、じいっと浪のうねりを見つめていた。
「ヴォートカはいいわね、あたいも御相伴したいわ。まったく、こう寒くっちゃやりきれない」と、ソネートカが鈴を振るような声を出した。([#ここから割り注]訳者註。ソネートは鈴の意[#ここで割り注終わり])
「ねえ、おかみさん。おごれよ、なんだい!」と、セルゲイが食いさがる。
「なんぼなんでも、そりゃ阿漕だよ!」とフィオーナが思わず口走って、咎めるように頭をふり立てた。
「あんまりやると男がさがるぜ」と、ゴルジューシカという少年囚が、兵隊の女房に助太刀をする。
「ほんとだよ。お前さんとこの人との相対《あいたい》ずくなら、何を言おうと勝手だろうがね、なんぼこの人だって少しや傍目《はため》というものがあろうじゃないか。あ
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