・リヴォーヴナを指して見せると、またごろりと横になって、外套にくるまってしまった。
 と、その瞬間、カテリーナ・リヴォーヴナの外套がぱっとその頭にかぶさったと思うと、目の粗いシャツ一枚の彼女の背なかへ、二重により合わせた縄のずんぐりした先っぽが、百姓のくそ力いっぱいに、ぴしりぴしりと振りおろされはじめた。
 カテリーナ・リヴォーヴナは、きゃっと悲鳴をあげたが、なにせ外套をすっぽり頭にかぶせられているので、声はさっぱり聞えない。その両肩には屈強な囚人が坐りこんで、両腕をがっしり抑えていた。
「五十」――やっと数え終ったその声は、誰が聞いても紛うかたないセルゲイの声だった。そこで深夜の訪問者たちは、ぱっと戸のそとへ掻き消えてしまった。
 カテリーナ・リヴォーヴナは頭の蔽いを払いのけて、はね起きた。誰もいなかった。ただついその辺で、誰かが外套を引っかぶりながら、さも小気味よげにヒッヒと笑っているだけだった。カテリーナ・リヴォーヴナにはそれがソネートカの笑い声だとわかった。
 こうなってはもう、通り一ぺんの口惜しさではなかった。その刹那カテリーナ・リヴォーヴナの胸に煮えくり返った情念も、無辺無
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