復讐
アンリ・ド・レニエエ(Henri de Re[#「e」にアクサン‐テギュ]gnier)
森林太郎訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)己《おれ》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)一本|背後《うしろ》へ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、底本のページと行数)
(例)※[#「元へん+りっとう」、第3水準1−14−60、82−下−13]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぬる/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
バルタザル・アルドラミンは生きてゐた間、己《おれ》が大ぶ精《くは》しく知つてゐたから、己が今あの男に成り代つて身上話をして、諸君に聞かせることが出来る。もうあれが口は開く時は無い。笑ふためにも歌ふためにも、ジエンツアノの葡萄酒を飲むためにも、ピエンツアの無花果《いちぢく》を食ふためにも、その外の事をするためにも、永遠に開く時は無い。なぜと云ふに、あれはサン・ステフアノの寺の石畳
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