沈黙の塔
森鴎外
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)夕《ゆうべ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)安楽|椅子《いす》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、アクセント符号、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](明治四十三年十一月)
〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Le《ル》 Roman《ロマン》 expe'rimental《エクスペリマンタル》〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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高い塔が夕《ゆうべ》の空に聳《そび》えている。
塔の上に集まっている鴉《からす》が、立ちそうにしてはまた止まる。そして啼《な》き騒いでいる。
鴉の群れを離れて、鴉の振舞《ふるまい》を憎んでいるのかと思われるように、鴎《かもめ》が二三羽、きれぎれの啼声をして、塔に近くなったり遠くなったりして飛んでいる。
疲れたような馬が車を重げに挽《ひ》いて、塔の下に来る。何物かが車から卸されて、塔の内に運び入れられる。
一
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