一年以内には必ず死ぬる牢屋に入れられ、死んでから刑の宣告を受け、塩詰にした死骸を磔柱などに懸けられたものである。これは独《ひとり》平八郎の与党のみではない。平八郎が前に吟味役として取り扱つた邪宗門事件の罪人も、同じ処置に逢つたのである。
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 近い頃のロシアの小説に、※[#「ごんべん+「墟」のつくり」、第4水準2−88−74、261−13]《うそ》を衝《つ》かぬ小学生徒と云ふものを書いたのがある。我事も人の事も、有の儘を教師に告げる。そこで傍輩《ばうはい》に憎まれてゐたたまらなくなるのである。又ドイツの或る新聞は「小学教師は生徒に傍輩の非行を告発することを強制すべきものなりや否や」と云ふ問題を出して、諸方面の名士の答案を募つた。答案は区々《まち/\》であつた。
 個人の告発は、現に諸国の法律で自由行為になつてゐる。昔は一歩進んで、それを褒《ほ》むべき行為にしてゐた。秩序を維持する一の手段として奨励したのである。中にも非行の同類が告発をするのを返忠《かへりちゆう》と称して、これに忠と云ふ名を許すに至つては、奨励の最顕著なるもので
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