潟A[#「マリア」に傍線]。實世界は空想の如く美ならず。されど又空想より美なるものなきにあらず。話頭は直ちにマリア[#「マリア」に傍線]が初め盲目なりし事に入りぬ。こはポツジヨ[#「ポツジヨ」に傍線]が早く我に語りしところなれども、今はわれ二女の口より此物語を聞きつ。ロオザ[#「ロオザ」に傍線]は弟の手術を讚め、マリア[#「マリア」に傍線]も亦その恩惠を稱《たゝ》へたり。マリア[#「マリア」に傍線]の云ふやう。目しひなりし時の心の取像《しゆざう》ばかり奇《く》しきは莫《な》し。先づ身におぼゆるは日の暖さ、手に觸るゝは神社の圓柱《まろばしら》の大いなる、霸王樹《サボテン》の葉の闊《ひろ》き、耳に聞くはさま/″\の人の馨音《こわね》などなり。一の官能の闕《か》くるものは、その有るところの官能もて無きところのものを補ふ。人の天青し、海青し、菫《すみれ》の花青しといふを聽きて、われは董の花の香を聞き、そのめでたさを推し擴めて、天のめでたかるべきをも海のめでたかるべきをも思ひ遣りぬ。視根の光明闇きときは、意根の光明却りて明なるものにやといふ。これを聞く我は、ララ[#「ララ」に傍線]が髮に※[#「
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