ォひと》の悌《おもかげ》をしのび、更に頭《かうべ》を囘《めぐら》して情あるロオザ[#「ロオザ」に傍線]とマリア[#「マリア」に傍線]とに謝したり。
流離《さすらひ》
その頃フアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]公子の書状屆きしに、文中公子のわがヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]に留まること四月の久しきに至るを怪み、強ひてにはあらねど、我にミラノ[#「ミラノ」に二重傍線]若《もし》くはジエノワ[#「ジエノワ」に二重傍線]に遊ばんことを勸めたる一節あり。われつら/\念《おも》ふやう。わが猶此地に留まれるは、そも/\何の故ぞや。此地にはげに兄弟に等しきポツジヨ[#「ポツジヨ」に傍線]あり、姉妹に等しきロオザ[#「ロオザ」に傍線]、マリア[#「マリア」に傍線]あれど、是等の交《まじはり》は永遠なるべきものにあらず。中にも女友二人の如きは、相見るごとに我が悲哀の記憶を喚び醒《さま》すことを免れず。われは悲哀を懷《いだ》いてヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]に來ぬ。而してヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]は更に我に悲哀を與へしなり。われは遽《にはか》にヱネチア[#「ヱネチア」に二重
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