、》の上を踏みしだきつゝ徐《しづ》かに歩める人々を追ひ越し行きぬ。
アントニオ[#「アントニオ」に傍線]、アントニオ[#「アントニオ」に傍線]と呼ぶ公子の聲|※[#「二点しんにょう+向」、第3水準1−92−55]《はるか》なる後に聞えて、我は始て我にかへりぬ。兎をや獵《かり》せんとする、否《さら》ずば天馬空を行くとかいふ詩想の象徴をや示さんとする、と公子語を繼いで云へば、ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]、否、われ等の※[#「足+圭」、第4水準2−89−29]歩《きほ》に蹇《なや》める處を、渠《かれ》は能く飛行すと誇るなるべし、いざ我が濟勝《さいしよう》の具の渠に劣らぬを證せんとて、我傍に引き傍《そ》うて走り出しぬ。公子|後《しりへ》より、汝等は我が夫人の手を拉《ひ》きて同じ戲をなすことを要《もと》むるにやといふとき、ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]は直に歩を駐《とゞ》めたり。
酒店に歸り着きし後は、瞽女《ごぜ》は影だに見えざりき。その叫びし聲の猶絶間なく耳に聞ゆるを、怪しとおもひてつく/″\聽けば、そは我|心跳《しんてう》のかく聞做《きゝな》さるゝにぞありける。嗚呼卑むべき
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