tランチエスカ」に傍線]の君は教へ給はざりき。君の宣ふやう。そは文にあれば、讀みて知れかし。おほよそ文にて知らるゝことは、その外にもいと多し。されど讀みおぼゆる初は、あまり樂しきものにはあらず。汝《そち》は終日|榻《たふ》に坐して、文を手より藉《お》かじと心掛くべし。カムパニア[#「カムパニア」に二重傍線]の野にありて、山羊と戲れ、友達を訪はんとて走りめぐることは、叶はざるべし。そちは何事をか望める。かのフアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]の君のやうなる、美しき軍服に身をかためて、羽つきたる※[#「(矛+攵)/金」、第3水準1−93−30]《かぶと》を戴き、長き劍を佩《は》きて、法皇のみ車の傍を騎《の》りゆかんとやおもふ。さらずば美しき畫といふ畫を、殘なく知り、はてなき世の事を悟り、我が物語りしよりも、※[#「二点しんにょう+向」、第3水準1−92−55]《はるか》に面白き物語のあらん限を記《おぼ》えんとや思ふ。我。されど左樣なる人になりては、ドメニカ[#「ドメニカ」に傍線]が許には居られぬにや。また御館へは來られぬにや。フランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]。汝は猶母の上をば忘
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