を含んでいる。Ivresse《イヴレス》を含んでいる、鴉片《アヘン》やHaschisch《アッシシュ》のようなものだ。鴉片は支那までが表向禁じているが、人類が酒を飲まなくなるかは疑問だね。Dionisos《ジオニソス》はApollon《アポルロン》の制裁を受けたって、滅びてしまうものではあるまい。問題は制裁|奈何《いかん》にある。どう縛られるか、どう囚われるかにあると云っても好かろう」
 二人は氷川《ひかわ》神社の拝殿近く来た。右側の茶屋から声を掛けられたので、殆ど反射的に避けて、社《やしろ》の背後の方へ曲がった。
 落葉の散らばっている小道の向うに、木立に囲まれた離れのような家が見える。三味線の音はそこからする。四五人のとよめき笑う声と女の歌う声とが交って来る。
 音締《ねじめ》の悪い三味線の伴奏で、聴くに堪えない卑しい歌を歌っている。丁度日が少し傾いて来たので、幸に障子が締め切ってあって、この放たれた男女の一群《ひとむれ》と顔を合せずに済んだ。二人は又この離れを避けた。
 社の東側の沼の畔《ほとり》に出た。葦簀《よしず》を立て繞《めぐ》らして、店をしまっている掛茶屋がある。
「好《
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