「山」の下に「手へん+甘」」、99−13]めて見ようとするからね」
 こんな事を話しながら、二人は公園の門を這入った。常磐木の間に、葉の黄ばんだ雑木の交っている茂みを見込む、二本柱の門に、大宮公園と大字で書いた木札の、稍古びたのが掛かっているのである。
 落葉の散らばっている、幅の広い道に、人の影も見えない。なる程大村の散歩に来そうな処だと、純一は思った。只どこからか微《かす》かに三味線《しゃみせん》の音《ね》がする。純一が云った。
「さっきお話しのワイニンゲルなんぞは女性をどう見ているのですか」
「女性ですか。それは余程|振《ふる》っていますよ。なんでも女というものには娼妓のチイプと母のチイプとしかないというのです。簡単に云えば、娼と母《ぼ》とでも云いますかね。あの論から推すと、東京《とうけい》や無名通信で退治ている役者買の奥さん連は、事実である限りは、どんなに身分が高くても、どんな金持を親爺《おやじ》や亭主に持っていても、あれは皆|娼妓《しょうぎ》です。芸者という語を世界の字書に提供した日本に、娼妓の型が発展しているのは、不思議ではないかも知れない。子供を二人しか生まないことにして
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