休みましょう。どうぞ藁や薦をお借り申しとうございます。せめて子供たちにでも敷かせたりきせたりいたしとうございます」
潮汲み女は受け合って、柞の林の方へ帰って行く。主従四人は橋のある方へ急いだ。
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荒川にかけ渡した応化橋《おうげのはし》の袂《たもと》に一群れは来た。潮汲み女の言った通りに、新しい高札が立っている。書いてある国守の掟も、女の詞《ことば》にたがわない。
人買いが立ち廻るなら、その人買いの詮議《せんぎ》をしたらよさそうなものである。旅人に足を留めさせまいとして、行き暮れたものを路頭に迷わせるような掟を、国守はなぜ定めたものか。ふつつかな世話の焼きようである。しかし昔の人の目には掟である。子供らの母はただそういう掟のある土地に来合わせた運命を歎《なげ》くだけで、掟の善悪《よしあし》は思わない。
橋の袂に、河原へ洗濯に降りるものの通う道がある。そこから一群れは河原に降りた。なるほど大層な材木が石垣に立てかけてある。一群れは石垣に沿うて材木の下へくぐってはいった。男の子は面白がって、先に立って勇んではいった。
奥深くもぐってはいると、洞
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