佐橋甚五郎
森鴎外
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)豊太閤《ほうたいこう》が
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)徳川|家康《いえやす》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)文※[#「或」の「ノ」の部分が三本、102−2]《ぶんいく》
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豊太閤《ほうたいこう》が朝鮮《ちょうせん》を攻めてから、朝鮮と日本との間には往来が全く絶えていたのに、宗対馬守義智《そうつしまのかみよしとし》が徳川《とくがわ》家の旨《むね》を承《う》けて肝《きも》いりをして、慶長《けいちょう》九年の暮《く》れに、松雲孫《しょううんそん》、文※[#「或」の「ノ」の部分が三本、102−2]《ぶんいく》、金考舜《きんこうしゅん》という三人の僧が朝鮮から様子を見に来た。徳川|家康《いえやす》は三人を紫野《むらさきの》の大徳寺《だいとくじ》に泊《と》まらせておいて、翌年の春|秀忠《ひでただ》といっしょに上洛《じょうらく》した時に目見《めみ》えをさせた。
中一年置いて慶
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