のつくり+頁」、第3水準1−93−93]《ちょうせん》の妻になっている温の姉などは、弟のために要路に懇請したが、何の甲斐《かい》もなかった。
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温の友に李億《りおく》と云う素封家があった。年は温より十ばかりも少くて頗《すこぶ》る詞賦《しふ》を解していた。
咸通《かんつう》元年の春であった。久しく襄陽《じょうよう》に往っていた温が長安に還《かえ》ったので、李がその寓居《ぐうきょ》を訪ねた。襄陽では、温は刺史《しし》徐商《じょしょう》の下《もと》で小吏になって、やや久しく勤めていたが、終《つい》に厭倦《えんけん》を生じて罷《や》めたのである。
温の机の上に玄機の詩稿があった。李はそれを見て歎称《たんしょう》した。そしてどんな女かと云った。温は三年前から詩を教えている、花の如き少女だと告げた。それを聞くと、李は精《くわ》しく魚家のある街《まち》を問うて、何か思うことありげに、急いで座を起った。
李は温の所を辞して、径《ただ》ちに魚家に往《い》って、玄機を納《い》れて側室にしようと云った。玄機の両親は幣《へい》の厚いのに動された
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