。
玄機は出《いで》て李と相見た。今年はもう十八歳になっている。その容貌の美しさは、温の初て逢った時の比ではない。李もまた白皙《はくせき》の美丈夫《びじょうふ》である。李は切に請い、玄機は必ずしも拒まぬので、約束は即時に成就して、数日の後に、李は玄機を城外の林亭《りんてい》に迎え入れた。
この時李は遽《にわか》に発した願が遽に※[#「りっしんべん+(はこがまえ<夾)」、第3水準1−84−56]《かな》ったように思った。しかしそこに意外の障礙《しょうがい》が生じた。それは李が身を以て、近《ちかづ》こうとすれば、玄機は回避して、強いて逼《せま》れば号泣するのである。林亭は李が夕《ゆうべ》に望を懐《いだ》いて往き、朝《あした》に興を失って還るの処《ところ》となった。
李は玄機が不具ではないかと疑って見た。しかしもしそうなら、初に聘《へい》を卻《しりぞ》けたはずである。李は玄機に嫌われているとも思うことが出来ない。玄機は泣く時に、一旦《いったん》避けた身を李に靠《もた》せ掛けてさも苦痛に堪えぬらしく泣くのである。
李はしばしば催してかつて遂げぬ欲望のために、徒らに精神を銷磨《しょうま》
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