特別な仔細《しさい》がありそうである。
「おい、お前何か考えているね」と、末造が烟管《きせる》に烟草を詰めつつ云った。
わざわざ片附けてあるような箱火鉢の抽斗《ひきだし》を、半分抜いて、捜すものもないのに、中を見込んでいたお玉は、「いいえ」と云って、大きい目を末造の顔に注いだ。昔話の神秘は知らず、余り大した秘密なんぞをしまって置かれそうな目ではない。
末造は覚えず蹙《しか》めていた顔を、又覚えず晴やかにせずにはいられなかった。「いいえじゃあないぜ。困っちまう。どうしよう。どうしようと、ちゃんと顔に書いてあらあ」
お玉の顔はすぐに真っ赤になった。そして姑《しばら》く黙っている。どう言おうかと考える。細かい器械の運転が透き通って見えるようである。「あの、父の所へ疾《と》うから行って見よう、行って見ようと思っていながら、もう随分長くなりましたもんですから」
細かい器械がどう動くかは見えても、何をするかは見えない。常に自分より大きい、強い物の迫害を避けなくてはいられぬ虫は、mimicry《ミミクリイ》 を持っている。女は嘘を衝く。
末造は顔で笑って、叱るような物の言様《いいよう》をし
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