ヨ出た。
 小僧は一しょに附いて来た女中に、「籠はわたしが持っているから、あの血を掃除しなくちゃ行けませんぜ、畳にも落ちましたからね」と、高慢らしく忠告した。「本当に早く血をふいておしまいよ」と、女主人が云った。女中は格子戸の中へ引き返した。
 岡田は小僧の持って出た籠をのぞいて見た。一羽の鳥は止まり木に止まって、ぶるぶる顫《ふる》えている。蛇に銜えられた鳥の体は半分以上口の中に這入っている。蛇は体を截《き》られつつも、最期の瞬間まで鳥を呑もうとしていたのである。
 小僧は岡田の顔を見て、「蛇を取りましょうか」と云った。「うん、取るのは好《い》いが、首を籠の真ん中の所まで持ち上げて抜くようにしないと、まだ折れていない竹が折れるよ」と、岡田は笑いながら云った。小僧は旨く首を抜き出して、指尖《ゆびさき》で鳥の尻を引っ張って見て、「死んでも放しゃあがらない」と云った。
 この時まで残っていた裁縫の弟子達は、もう見る物が無いと思ったか、揃《そろ》って隣の家の格子戸の内に這入った。
「さあ僕もそろそろお暇《いとま》をしましょう」と云って、岡田があたりを見廻した。
 女主人はうっとりと何か物を考え
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