がある。
 是年榛軒二十八、柏軒二十二、長十八になつた。蘭軒の姉正宗院は六十一であつた。榛軒の妻勇の年を知らない。
 天保三年は蘭軒歿後第三年である。三月六日に柏軒が始て松崎|慊堂《かうだう》を見た。わたくしは上《かみ》に文政辛巳の条に、榛軒が慊堂、※[#「木+夜」、第3水準1−85−76]斎に学び、柏軒が※[#「木+夜」、第3水準1−85−76]斎に学んだ事を言つた。今柏軒は其師※[#「木+夜」、第3水準1−85−76]斎に従つて、渋江抽斎と共に兄の師慊堂を羽沢《はねざは》に訪うたのである。わたくしは此に柏軒の日記を抄出する。日記は此月三日より十八日に至る十六日間の事を録したもので、良子刀自の蔵する所に係る。
「天保三年壬辰三月六日。随※[#「木+夜」、第3水準1−85−76]斎先生。与抽斎兄同至羽根沢。見慊堂先生。其居在長谷寺之南十町許。下阜径田。又上高阜。而深林之中。即其隠居之処也。在前丘之上望之。与其居相対。茅茨七八椽。有小楼。上室者先生之斎。前園有方池。命于童子易水。下室者門生之塾。読誦之声朗々。※[#「木+夜」、第3水準1−85−76]斎先生贈雁。信重贈酒。抽斎亦同。飲酒談
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