二、「夜坐」の五絶一がある。「偶作」中にも亦「樗材居世不如愁」、「伝家宝只有書蔵」等の句があつてわたくしの目を惹いた。
八月十三日は仙駕亭例会の日であつた。宿題は「園中秋草花盛開」で、蘭軒は五絶の体を以て、紫苑、秋海棠、※[#「くさかんむり/紅」、第4水準2−86−42]児《こうじ》、鴨跖草《あふせきさう》、玉簪花《ぎよくさんくわ》、地楡《ちゆ》、沙参《さじん》、野菊《やきく》、秋葵《しうき》の諸花を詠じた。席上課題は「柬友人約中秋飲」で、蘭軒に七絶一があつた。安《いづく》んぞ知らむ、此日菅茶山は神辺《かんなべ》にあつて易簀《えきさく》したのであつた。「病※[#「口+鬲」、第4水準2−4−23]噎、自春及秋漸篤、終不起、実八月十三日也」と、行状に書してある。
茶山は死に先つて「読旧詩巻」の五古を賦した。「老来歓娯少。長日消得難。偶憶強壮日。時把旧詩看。」さて生涯の記念を数へてかう云つた。「酔花墨川※[#「こざとへん+是」、第3水準1−93−60]。吟月椋湖船。叉手温生捷。露頂張旭顛。」其自註を検すれば、第一は犬塚|印南《いんなん》、伊沢蘭軒、第二は蠣崎波響《かきざきはきやう》[#ル
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