知れない。そして此恨事は偶《たま/\》以て朴斎の豪邁の資を証するに足るかも知れない。
書中には猶|高滝子《たかたきし》、総介二人の名が見えてゐる。そして茶山は総介の黙庵|牧唯介《まきたゞすけ》にあらざるなきかを疑ひ、又総介が金輪寺へ往くと聞いて、「梧堂と一つになり候半」と推想してゐる。高滝氏は屡《しば/″\》朴斎集中に見えてゐて、名は常明《つねあき》であつたらしい。総介はわたくしは未だ考へない。
三月二十三日には※[#「くさかんむり/姦」、7巻−350−上−2]斎詩集に「廿三日暁起」の七絶がある。蘭軒は残月の桜花の上に懸れるを賞したのである。
二十九日に蘭軒は天野|樵※[#「土へん+敦」、第3水準1−15−63]《せうとん》、子柏軒の二人と共に郊外を歩し、僧|混外《こんげ》を金輪寺に訪ひて逢はず、茶店《ちやてん》に憩うて鈴木玄仙に邂逅し、遂に鹿浜《しかはま》に到つて帰つた。
集に「春尽前一日与天野樵※[#「土へん+敦」、第3水準1−15−63]、児信重同遊近郊、遂到鹿浜而帰」の七絶七首がある。丁亥の三月は大なるが故に、「春尽前一日」が二十九日となる。二十八日の夜は雨がふつたのに
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