二、鮑本第三と品定した。
蘭軒は一々証拠を挙げて論じてゐるが、わたくしは此に蘭軒が鮑本|香※[#「くさかんむり/需」、第4水準2−87−3]散《かうじゆさん》の条《くだり》を論ずる一節を抄出する。「香※[#「くさかんむり/需」、第4水準2−87−3]散犬が飜《こぼ》して雲の峰。」これは世俗の知る所の薬名だからである。「神聖香※[#「くさかんむり/需」、第4水準2−87−3]散。注(鮑本注)云。程本作香茸。方中同。疑誤。今遵館本。按。(蘭軒按。)図経本草曰。香※[#「くさかんむり/需」、第4水準2−87−3]一作香※[#「くさかんむり/矛/木」、7巻−209−上−14]。俗呼香葺。程本茸。即葺之訛。宋板書中。有作香茸者。其訛体亦従来已久。則改作※[#「くさかんむり/需」、第4水準2−87−3]者。妄断耳。」所謂宋板の書は宋板百|川学海《せんがくかい》、又本草綱目引く所の食療本草で、皆|茸《じよう》に作つてある。蘭軒は鮑廷博の妄に古書を改むるに慊《あきたら》ぬのである。蘭軒の跋は下《しも》の如く結んである。「嗚呼無皇国本。則不能見其旧式。無呉本。則不能校其字句。無鮑本。則不能知二家之別。
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