いし》により候。御一笑可被下候。これよりも又備前やき陶尊《たうそん》一つ進申候。これまた案左《あんさ》にて御插可被下候。山陽近邦何のかはり候事もなく候。ことしも豊年と見え候。」
「扨去年の月はすみだ川、ことしの花はあらし山、無此上候。此秋はいかがいたし可申哉。独酌むしを聞候外いたしかたなく候。御憐察可被下候。花生は舟にて廻し候へば遅かるべし。帰路詩歌少し御坐候へ共、どうもえうつさせ不申候。いつにてもさし上可申候。先書状延引御断|旁《かた/″\》早々申上残候。恐惶謹言。八月二日。菅太中晋帥《くわんたいちゆうしんすゐ》。伊沢辞安様。」
「令郎《れいらう》様追々御|生立《おひたち》想像仕候。たんと御叱被成まじく候。あまりはやく成就いたさぬ様に御したて可被成候。くれ/″\も吾兄御近状にても御もらし可被下候。」
「又。」
「さて御いとま乞に参候せつ御目にかかり不申今に心あしく候。辞安様追々御こゝろよく御坐候哉。せつかく御いたはりなさるべく候。まことにたいりう中はかぎりなく御せわなし下され、わすれがたくぞんじ上候。只々御目にかからず帰候こと御のこり多く御坐候。ずゐぶん御身御よう心御わづらひなさらず
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