「此辺なにもかはりなく候。あぶらや本介《もとすけ》も同様也。久しく逢不申候。福山|辺《へんより》長崎へ参候輩も皆々無事也。其うち保平《やすへい》と申は悼亡のいたみ御座候。玄間は御医者になり威焔赫々。私方養介も二年煩ひ、去年|漸《やうやく》起立、豊後へ入湯道中にて落馬、やうやく生て還候。かくては志も不遂《とげず》、医になると申候。」
「私方へ頼久太郎と申を、寺の後住《ごぢゆう》と申やうなるもの、養子にてもなしに引うけ候。文章は無※[#「隻+隻」、7巻−118−下−3]也。為人《ひととなり》は千蔵よく存ゐ申候。年すでに三十一、すこし流行におくれたをのこ、廿前後の人の様に候。はやく年よれかしと奉存候事に候。」
「庄兵衛も店を出し油かみなどうり候。妻をむかへ子も出来申候。此中《このちゆう》も逢候へば辞安様はいかがと申ゐ候。」
「詩を板にさせぬかと書物屋乞候故、亡※[#「敝/犬」、7巻−118−下−10]弟《ばうへいてい》が集一巻あまりあり、これをそへてほらばほらせんと申候所、いかにもそへてほらんと申候故、ほらせ候積に御座候。幽霊はくらがりにおかねばならぬもの、あかりへ出したらば醜態呈露一笑の
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