郊辺小沢といふ所|茶店《ちやてん》(泉屋善助)の傍《かたはら》に小樹籬《せうじゆり》を囲て石作士幹《いしづくりしかん》の墓あり。墓表隷字にて駒石石《くせきせき》先生之墓と題す。碑文紀平洲撰せり。一里半福島駅にいたる。関庁荘厳なり。桟道の旧跡を経て新茶屋といふに到る。屋後に行きて初て厠籌《しちう》を見たり。竹箆にはあらず。広一寸弱長四五寸の片木なり。二里半|上松《あげまつ》駅にいたる。臨川《りんせん》寺は駅路|蕎麦店間《けうばくてんかん》より二丁|許《きよ》の坂を下りている。此書院に古画幅を掛たり。広一尺一二寸|長《たけ》三尺許装※[#「さんずい+(廣−广)」、第3水準1−87−13]もふるし。一人物|巾《きん》を頂き裘《きう》を衣《き》たり。舟に坐して柳下に釣る。※[#「肄」の「聿」に代えて「欠」、第3水準1−86−31]なし。筆迹松花堂様の少く重きもの也。寺僧|浦島子《うらしまがこ》の象《かた》なりといふ。全く厳子陵《げんしりよう》の図なり。庭上に碑あり。碑表は石牀先生之墓と題す。三村三益、字季※[#「山+昆」、第4水準2−8−45]《あざなはきこん》といふ木曾人の碑なり。熊耳余承裕
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